大阪梅田に新しく誕生した文化装置VS.
そのオープニングを飾る特別企画としてライゾマティクス主宰である真鍋大度の新作個展「CONTINUUM RESONANCE:連続する共鳴」が開催された。VS.の特徴的な建築空間すべてを活かした新作インスタレーションを公開した本展は真鍋がS・ボケソイ氏と共同開発した3D音響ソフトを用いて生成される音や映像が空間と融合しながら誰も見たことがない体験を提供した。
会期中には2度のナイトイベントをVS. SOUND NIGHTと銘打って開催。真鍋大度をはじめ、ゲストとして、大阪を拠点に活動するDJを招聘。VJには本作品の制作に携わったAyumu Nagamatsu, Futa Kera , Tatが参加。VS.独自の超高精細サウンドシステムが生み出す迫力ある重低音と、展示作品の映像システムを使用し、臨場感あふれるダイナミックなオーディオビジュアル空間を体感できるイベントとなった。
また、VS. Special Talk -真鍋大度が語るクリエーションの舞台裏-として本展の舞台裏に迫るトークイベントも開催するなど、展示以外の試みも充実したものとなり、最終的には5週間の会期で6万人を上回る来場者が訪れる結果となった。
[アーティストステイトメント]
本展では当初、これまでの個⼈としての活動の軌跡を再検証するため、過去20年間の作品を包括的に展⽰する企画を考えていました。しかし、安藤忠雄⽒の建築に触発され、新たな挑戦へと⽅向転換しました。私の制作の根幹には数学と⾳楽があります。⼤学時代に読んだヤニス・クセナキスの「⾳楽と建築」という本に衝撃を受け、現在の活動の萌芽が⽣まれました。それ以来、様々な⼿法を学び、経験を積み重ね、多様な表現を追求してきました。本展「Continuum Resonance:連続する共鳴」では、この建物の持つポテンシャルと空間特性を最⼤限に活かし、私の制作の原点を現代の⽂脈で再解釈する新作の制作に取り組むことにしました。「VS.」という安藤建築の空間との対話を通じて、これまでの経験と最新の技術的成果が融合した新たな作品を⽣み出したいと考えています。
真鍋大度(Rhizomatiks, Studio Daito Manabe)
Work 1 (STUDIO C) “PolyNodes Installation Debug Views”
Work 2 (STUDIO B) “PolyNodes Visualization”
Work 3 (V Space) “PolyNodes Augmentation”
Work 4 (STUDIO A) “Synthesis of Body-Space-Music”
photo by muryo homma(Rhizomatiks)