中国・杭州のYuhang Art Museumで開催されたChina Hangzhou Art and Technology Biennale 2025にてDeleted Reality 2025を展示した。
本作は肉眼ではただ白く発光するパネル。スマートフォンのカメラを通して見ると、画面にはさまざまな色のストライプが浮かび上がる。
高速現象を観察するための装置として一般にはハイスピードカメラが用いられるが、こうした機器は高価で日常的に扱えるものではない。本作品では、誰もが持つスマートフォンを利用することで、人間の知覚を超えた高速度の現象を手軽に体験できるようにしている。
スマートフォンの多くは「ローリングシャッター方式」を採用しており、撮像素子の各ラインがわずかな時間差で読み出される。そのため、1枚の写真の中には実際には異なる時間の断片が織り込まれている。この特性を応用し、本作品では独自開発した高速点滅LEDを用いて、肉眼では捉えられない現実を可視化する。



