FORM

野村萬斎×真鍋大度
January 02, 2017
Photo by Hiroyuki Takahashi/NEP

メイキング

野村萬斎の三番叟を4DViewsで撮影し、現実の舞とバーチャルの世界での舞が融合する。またMotionCaptureデータも取得し、Graphics生成などに使用した。
2017年1月2日~3日、東京国際フォーラム・ホールB7にて上演された、日本の伝統美を最先端テクノロジーで可視化するアートパフォーマンス。総合演出は野村萬斎、映像演出は真鍋大度による。
公演では、能の代表的な祝言「高砂」(12時公演)、祝賀的な狂言の代表曲「「末広(すえひろ)かり」と能の音楽である「能楽囃子」(16時公演)といった江戸城の能舞台で上演されていた能・狂言の祝祷芸に続いて、テクノロジーと伝統芸能の競演による『三番叟(FORM)』を上演。野村萬斎が演じる舞に対し、真鍋が様々なセンサを用いてデータ化し解析することによって新たな解釈を生み出した。
真鍋によるデータビジュアリゼーションに加え、国内外でテクノロジーを取り入れた舞台作品や美術作品を発表し、舞台照明を牽引するアーティスト藤本隆行(Dumb Type/Kinsei R&D)が参加。舞台上で繰り広げられる現実と仮想が入り交じる世界において、光によって野村萬斎の身体に再接合し、劇場空間に拡張するという試みが行われている。
音響演出は、無響空間におけるサウンドVR(仮想現実)など先鋭的な作品を手がけるサウンド・アーティスト/音楽家のevalaが担当。スピーカー24台を会場内に配置し、野村萬斎の所作から発生する音を拡張させて波動のように響き渡らせる。『三番叟(FORM)』は史上初の、唄いも太鼓もいない舞台。あたかもそこに奏者がいるかのような、伝統芸能の新たな舞台が創出された。
Credit
出演・総合演出 : 野村萬斎(狂言師)
出演 : 観世喜正(観世流シテ方)ほか
映像演出 : 真鍋大度(Rhizomatiks Research)
音響演出 : evala
照明 : 藤本隆行(Dumb Type/Kinsei R&D)
野村萬斎×真鍋大度「FORM」

東京国際フォーラム開館20周年記念事業「J-CULTURE FEST」
日程:2017年1月2日~3日
会場:東京国際フォーラム・ホールB7