phosphere

Rhizomatiks Research × ELEVENPLAY
June 01, 2017
Rhizomatiks Research x ELEVENPLAY “phosphere” at Sónar Festival
Sónar Barcelonaにて、4月に行われたRhizomatiks Research × ELEVENPLAY「phosphere」をインスタレーションとして展開した。会場は、Sónar Barcelonaにおけるメディアアートのインスタレーション展示スペース「SONAR PLANTA」。天井高のある、巨大な倉庫のような空間にインスタレーション1点だけが展示される。
作品は、モーションキャプチャー+24台(32光源)のレーザープロジェクターがセットされた、スモークが焚かれるスペースの内部に、光線の交錯を多岐に作り出し、立体的な映像効果を視覚化していくというもの。ある意味、夢の立体映像にライゾマティクスリサーチが取り組んだ作品で、観客はスペース内部に入って小さな発光球体を手にとって自由に位置を動かすと、視覚的に光線がそれをトラックして、光による幾何学的立体が形作られていく。
さらに今回は、ELEVENPLAYの3人のダンサー[SAYA、ERISA、KAORI]が参加する25分のコンパクトバージョンのパフォーマンスが、インスタレーションの公開の合間を縫って公演された。出演が3人になったことで、phosphereの主なクリティカルアイデアソースの1つであった、1920年代のバウハウス舞台工房でオスカー・シュレンマーの開拓した人間の身体とスペースとの幾何学的組織化を目指した3人のパフォーマーによる「トリアディック・バレエ」を彷彿とさせ、さらに立体視覚化が加わった非常にインパクトがあるステージとなる。ラストシーンは、立体的フィギュア映像のみのダンス。終演後には毎回、スペインのオーディエンスから盛大なスタンディングオベーションが送られ、クライマックスを作り出していた。
photo:Nerea Coll, Leafhopper Project, Ariel Martini for Sónar Festival

▶︎Volumetric Capture
ステージ空間をモーションキャプチャーシステムで360°トラッキング可能な状態にし、24台(32光源)のレーザープロジェクターが4方から取り囲んでセットされている。プロジェクションは、3D上の線的なビームで構成されるパートと、人体像を結実させるもの、さらにダンサーの手の動きから解析された軌跡による映像などで構成される。
スモークが大量に焚かれるスペースの内部に、光線の交錯をオールラウンドに多角的な方向からトラッキングの交錯点に集中プロジェクションさせ、そこにスモークに反影するホログラムとしての立体的な3D映像効果を視覚的に出現させる。各プロジェクションのアングルを正確に分析し、そのアングルから捉えていくはずの人体シルエットを、アングルごとに分割してリアルタイムに映像化し、32光源から同じ交錯点にプロジェクションすることでダンサーの立体映像を空間に立ち上げた。


photo: Albert Muñoz ©Sónar Festival ©Advanced Music
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Credit
CAST:ELEVENPLAY
演出・振付:MIKIKO
ビジュアルディレクション・テクニカルディレクション:真鍋 大度(Rhizomatiks Research)
テクニカルディレクション・ハードウェアエンジニアリング:石橋 素(Rhizomatiks Research)
ビジュアルプログラミング:堀井 哲史(Rhizomatiks Research)
プロジェクションシステム・ソフトウェアエンジニアリング:花井 裕也(Rhizomatiks Research)
音楽:evala
衣装:Yaepon
テクニカルプロダクションマネージャー:上條 慎太郎(Rhizomatiks Research)
テクニカルサポート:本間 無量(Rhizomatiks Research)
ハードウェア:田井秀昭、浅井裕也