Release

border 2021

January 29, 2021

体験と表現の「進化」に挑む。
初演から5年の歳月を経て、最新版『border 2021』が完成。

ダンスカンパニー ELEVENPLAYと演出振付家のMIKIKO、 そして真鍋大度・石橋素率いるライゾマティクスが 2015年に発表したダンス作品『border』。 2015年での試みを発展・アップデートさせ、 COVID-19以降の鑑賞環境、オンライン・オフライン双方対応の表現モデルを新たに構築しました。
体験と表現の「進化」に挑む、『border 2021』にどうぞご期待ください。

「border」から「border 2021」へ

2015年に東京・スパイラルホールでの初演のち、山口情報芸術センター[YCAM]でアップデート版が発表されたダンスパフォーマンス作品「border」。観客の動きをプログラムで完全に制御されたパーソナルモビリティ「WHILL*」に座り、ヘッドセット型のバーチャルリアリティのディスプレイを装着し、VR / ARの虚構の世界と、生身のダンサーによって引き戻される現実の世界を行き来するうちに様々な境界が変容していく作品です。
2015年当時は、まだプロダクトやサービスが出ておらず自作していたデバイスがこの数年でより高解像度、高臨場感のVRデバイスが登場し、これらを使用することで2021年バージョンは映像、音ともにクオリティが向上し、新しい演出も加わっています。

*「WHILL」はWHILL株式会社による製品です。

オンライン鑑賞モデルの登場

今回は、COVID-19以降の鑑賞環境としてオフラインでの体験に加え、オンライン鑑賞も可能にし、双方対応の表現モデルを新たに構築しました。オンライン鑑賞では、会場内の様子を複数の視点で配信し、自由に視点を選択しながら視聴ができます。高い位置から全体を俯瞰したアングルや、実際にオペレーションをおこなう制御画面など、会場での体験では見ることのできない、オンライン鑑賞に特化したコンテンツをお届けします。

border 2021 に向けて

真鍋大度
2015年、border初演時には適当なMRデバイスやシステムがなく全てライゾマティクスで自作していました。今では必要なツールは出揃い、デジタルツイン・ミラーワールドなどのコンセプトは産業界のテーブル上でも議論される様になり、新しい概念が現実社会へと実装されています。
2021年現時点の最高峰の技術を用いて2015年に発表した作品を進化させることで、さらに先の未来を提示します。

石橋素
カメラ解像度、CPU動作周波数、メモリ容量、GPUコア数、モビリティ最大移動スピード、プロジェクタルーメン数など、WHILLで使うハードウェアの性能は、5年の歳月で確実に「変化」しました。
体験と表現は「進化」できるのか。
それを確かめるため、オンライン、オフライン、どちらも是非体験してください。

MIKIKO
-border2021-
未知なる未来を手探りで探す日々。
この時代だからこそ生まれる表現をしっかり見つめ、ゆっくりでも良いから諦めずに動き続ける。
5年前に生み出した作品が、私たちの背中を押してくれました。
時空を超えて体験者お一人お一人と今を確かめ合う時間を共有したいです。

evala
初演から5年、公演ができないわ、友人とも会えないわ、世界はこんなことに。身体のありかたをテクノロジーで探り直すborder。
今アップデートすると、新しい感情や知覚が見つかるような気がする。

藤本隆行 / Kinsei R&D
体験とは?車椅子に乗り、VRゴーグルとヘッドフォンを付けて。
視覚と聴覚は転送できる。自室でもたぶんリアルの鑑賞者に憑依できる。
それでも現場に来ることの意味。
オンとオフどちらの鑑賞でもそれを感じて欲しい。

アーティストプロフィール

ライゾマティクス
技術と表現の新しい可能性を探求し、研究開発要素の強い実験的なプロジェクトを中心に、ハード・ソフトの開発から、オペレーションまで、プロジェクトにおける全ての工程に責任を持ち、人とテクノロジーの関係について研究しながらR&Dプロジェクトや作品制作を行う。また、外部のアーティストや研究者・科学者などとのコラボレーションワークを通じ、カッティングエッジな表現作品、研究を世の中に発表している。

ELEVENPLAY
MIKIKO率いるダンスカンパニー。女性ダンサーのみで編成されており、舞台、映像、スチールなど、表現の場を様々に持つ。Rhizomatiksとのコラボレーションを多く行っており、”Sónar Festival”、”Festival Internacional Cervantino”、”MUTEK MEXICO”、”MUTEK Montréal”、”Gray Area Festival”に招聘されるなど、活躍の場を海外にも広げ、精力的に活動している。

MIKIKO
演出振付家。ダンスカンパニー「ELEVENPLAY」主宰。Perfume、BABYMETAL の振付・ライブ演出をはじめ、様々なMV・CM・舞台などの振付を行う。メディアアートのシーンでも国内外で評価が高く、新しいテクノロジーをエンターテインメントに昇華させる技術を持つ演出家として、ジャンルを超えた様々なクリエーターとのコラボレーションを行っている

真鍋大度
東京を拠点に活動するアーティスト、インタラクションデザイナー、プログラマ、DJ。2006年Rhizomatiks 設立。身近な現象や素材を異なる目線で捉え直し、組み合わせることで作品を制作。高解像度、高臨場感といったリッチな表現を目指すのでなく、注意深く観察することにより発見できる現象、身体、プログラミング、コンピュータそのものが持つ本質的な面白さや、アナログとデジタル、リアルとバーチャルの関係性、境界線に着目し、デザイン、アート、エンターテイメントの領域で活動している。

石橋素
エンジニア/アーティスト。東京工業大学制御システム工学科、国際情報科学芸術アカデミー(IAMAS)卒業。デバイス制作を主軸に、数多くの広告プロジェクトやアート作品制作、ワークショップ、ミュージックビデオ制作など、精力的に活動を行う。過去に、Ars Electronica 優秀賞、文化庁メディア芸術祭優秀賞受賞。

evala
音楽家、サウンドアーティスト。新たな聴覚体験を創出するプロジェクト「See by Your Ears」主宰。立体音響システムを楽器として駆使し、独自の“空間的作曲”によって、先鋭的な作品を国内外で発表。近作には、映画を「耳で視る」をコンセプトに『Sea, See, She ーまだ見ぬ君へ』(2020年/スパイラルホール)を世界初上演し、大きな話題を呼ぶ。現在公開中のインスタレーション作品に『Haze』(十和田市現代美術館/~2021年8月31日まで)、『Grass Calls』(銀座 GINZA SIX屋上庭園)/~2021年2月23日まで)。

藤本隆行
Kinsei R&Dディレクター・照明家。日本のアートコレクティブ Dumb Typeのメンバーとして舞台作品に関わり、21世紀に入ってからは、Kinsei R&D名義でLED照明などのデジタルディバイスを使った舞台・美術作品を製作・発表。国内外のアーティストとのコラボレーションを活発に行い、2010年からは大阪の山本能楽堂にて、能の演目にLED照明演出を付ける試みも続けている。

公演情報

『border 2021』公式ウェブサイトをご確認ください。

クレジット

文化庁委託事業「文化芸術収益力強化事業」 
主催:文化庁、特定非営利活動法人映像産業振興機構(VIPO)、株式会社ライゾマティクス
企画・運営:特定非営利活動法人映像産業振興機構(VIPO)、株式会社ライゾマティクス 
ステージ演出・振付:MIKIKO 
演出技術開発・映像制作:ライゾマティクス 
出演:ELEVENPLAY 
音楽:evala 
照明デザイン:Takayuki Fujimoto 
ステージマネジメント:So Ozaki 
会場協力:株式会社ワコールアートセンター 
機材協力:カラーキネティクス・ジャパン株式会社、株式会社 エルザ ジャパン、西川コミュニケーションズ株式会社、株式会社アスク、株式会社アコースティックフィールド

【本件についてのお問い合わせ先
取材に関するお問合わせ、プレス用画像等ご入用の方は以下にお願いします。
ライゾマティクス・広報担当:press@rhizomatiks.com