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ライゾマティクス_マルティプレックス

March 19, 2021

今週末に開催迫る。ライゾマティクス初となる大規模個展「ライゾマティクス_マルティプレックス」展が東京都現代美術館でスタート。

「新しいアーティストの役割」を呈示する―ライゾマティクスのこれまでとこれから。

2006年に活動をスタートしたライゾマティクスは、いわゆる「メディアアート」の領域を超え、研究開発的要素の強いプロジェクトから、建築、デザイン、広告やエンターテイメントなどのビジネスにまで及び、さまざまな角度から社会に影響を与えてきました。アイデア、ハード/ソフト開発からオペレーションに至るまでチームが一貫して取り組むフルスタック集団として、チーム内にはアーティスト、エンジニア、プログラマーなどを含んでいます。
ライゾマティクスは、現代社会の中に潜む多種多様なコミュニケーションと仮想性も含めた人間の身体性を、コンピューティング、コーディング、さらにエンジニアリングの技術と融合させ、新たな側面や気付きを与える作品を多く発表してきました。ポスト・コロナの社会において、世界全体でオンライン化を求められ、人間としてのコミュニケーションのあり方についての新しい可能性が問われるなか、多くのプロジェクトや技術提案を実践してきたライゾマティクスが、実験的、野心的なアウトプットを通じて、変化し続ける世界における「新しいアーティストの役割」を呈示します。

オンライン会場も登場する、ハイブリッド展示

multiplexと題された本展では、ライゾマティクスの領域横断的な創造のアーカイブを網羅するとともに、新作プロジェクトが、東京都現代美術館の会場(=オフライン)に加え、オンライン会場でもご覧いただけます。
オンライン会場では、東京都現代美術館の空間を3Dモデルで再現し、鑑賞者が会場をウォークスルーしていくという擬似体験を可能にしています。また同時に、美術館内にいる観客の位置情報をビジュアリゼーションし、オンラインとオフラインの鑑賞をクロスオーバーさせていきます。 
オンライン体験の後にオフラインで鑑賞、または、オフラインで鑑賞してからオンラインで追体験など、どちらも楽しむこともできる本展をぜひハイブリッドでご体験ください。

作品の見どころ

本展では、新作インスタレーション、過去の代表作のアップデート版、さらにこれまでの活動を網羅的に紹介する記録映像や開発してきたハードウェアの実物を展示にてご覧いただけます。

[参考図版]「Lucid Motion by Daito Manabe × Rhizomatiks Research」2019 年
ワシントン D.C. で開催された「Lucid Motion」展にて、身体表現を多面的に捉えたインスタレーション。

新作の一つ、『Rhizomatiks × ELEVENPLAY “multiplex”』は、 ダンスカンパニー「ELEVENPLAY」のダンサーの動きをモーションデータ化し、映像プロジェクションや動くロボティクスとともに構成したインスタレーション作品です。高さ約4メートル、全長約27メートルの空間にパナソニックのDLP®方式 SOLID SHINEレーザープロジェクター*15台使用しマッピングすることで、没入感のある空間を演出。臨場感を高めるための最適化されたレイアウト設計と高精細、かつ映像のつなぎ目が目立たないシームレスな映像表現により、最先端の映像表現を体験する事が出来ます。リアルな表現が、バーチャル空間へハイブリッドに展開され、見る者の視点を移動転換させつつ、新たな人間性について思考を巡らせます。

* SOLID SHINE はパナソニック株式会社の商標です。
** DLP®(Digital Light Processing)、DLP®チップ、DLPメダリオンロゴはテキサス・インスツルメンツ社の登録商標です。

[参考図版] 真鍋大度+石橋素《particles》2011年|写真提供:山口情報芸術センター[YCAM]|撮影:丸尾隆一(YCAM)
構造物の中を走るボールの位置情報を用いてLEDを点滅させ、空中に立体映像を作り出すインスタレーション。2011年アルスエレクトロニカ準グランプリ受賞

また、過去の代表作として2011年に発表し国内外で多数受賞し評価された『particles』が本展に合わせアップデート。東京都現代美術館の地下2階から地上3階までの吹き抜けの空間を使用し、高さ8メートルある有機的な螺旋構造のレールに多数のボールが転がり、空中に浮かぶ光の点滅が幻影的な残像を生み出します。球の位置を正確にトラッキングするレーザー照射が、独創的かつ立体的な視覚表現を実現させます。

アーティストプロフィール

ライゾマティクス
技術と表現の新しい可能性を探求し、研究開発要素の強い実験的なプロジェクトを中心に、ハード・ソフトの開発から、オペレーションまで、プロジェクトにおける全ての工程に責任を持ち、人とテクノロジーの関係について研究しながらR&Dプロジェクトや作品制作を行う。また、外部のアーティストや研究者・科学者などとのコラボレーションワークを通じ、カッティングエッジな表現作品、研究を世の中に発表している。

展覧会概要

会期|2021年3月20日[土・祝]- 6月20日[日] 
休館日|月曜日(5月3日は開館)、5月6日 
開館時間|10:00-18:00(展示室入場は閉館の30分前まで)
観覧料|一般 1,500円 / 大学生・専門学校生・65歳以上 900円 / 中高生 500円 / 小学生以下無料 
※本展のチケットでMOTコレクションもご覧いただけます。
※小学生以下のお客様は保護者の同伴が必要です。
※身体障害者手帳・愛の手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳・被爆者健康手帳をお持ちの方と、その付添いの方(2名まで)は無料になります。 
※予約優先チケットあり
※緊急事態宣言中は事前に予約優先チケットのご購入が必要になります。(https://www.e-tix.jp/mot/

会場|東京都現代美術館 企画展示室 地下2F(https://www.mot-art-museum.jp/exhibitions/rhizomatiks/
主催|公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都現代美術館 
助成|令和2年度文化庁優れた現代美術の国際発信促進事業 
協賛|ブルームバーグL.P./株式会社ミクシィ
技術協力|パナソニック株式会社/キヤノンマーケティングジャパン株式会社/株式会社DataSign/株式会社ソニー・ミュージックエンタテインメント/株式会社Kyuzan
協力|株式会社アミューズ/ ユニバーサル ミュージック合同会社/ 一般財団法人カルチャー・ヴィジョン・ジャパン/ 株式会社アブストラクトエンジン

※修正:「見どころ」で記載の天井の高さに誤りがありました。お詫びして修正いたします。(2021年7月23日)